第三章、ひとまず終了

「第3章 標準部品化力、オブジェクトおよび状態」を読み終えました。代入や局所状態変数から始まり、ディジタル回路のシミュレータの動きを追いながら感動と苦悩を味わい、共有資源を扱う際に発生する問題点について考え、さらに、それを回避するための一つの視点としてストリームや遅延評価が登場しました。この章の最後に「時の関数型プログラミング的視点」というトピックがあり、ここにこの三章で取り組んだ内容が総括されていて、非常に感慨深いものがありました。最後の段落には、

本章は、モデル化しようとする実世界の認識に合致する構造を持つ、計算モデルを構築するという目的をもって始めた。われわれは、ばらばらで、時に縛られ、相互作用する、状態を持つオブジェクトの集りで世界をモデル化することも出来るし、また単一の、時に縛られない、状態のない個体で世界をモデル化することも出来る。どちらの見方も強力な利点があるが、どちらかだけでは完全には満足出来ない。もっとすばらしい統合が現れなければならない。

と書いてあり、遅延評価の概念に衝撃を受けた自分としては、これを越える概念が存在することなど、現時点では想像できません。本書の残りの章で何が語られるのか。そんなことを楽しみにしながら、まずは本書全体像を把握すべく、先へ進んでいきたいと思っています。